学校教育のデジタル化のイロハ

学校教育(主に小中学校)のデジタル化について、備忘録的に記録しています。

ヨ:幼児教育でのデジタルの活用は?

幼稚園、保育園でのデジタル活用

 幼稚園、保育園などの幼児教育でのデジタル活用については、事務の効率化や保護者との連絡で活用されている例が数多く見られます。小中学校での校務支援システムのようなイメージです。

 文科省のHPでは、「これからの幼児教育と ICTの活用」という資料が公開されているのですが、ここでは、校務支援的なICT活用に加え、子どもたちの動きや温度(体温)などをデータ化して、ビッグデータを幼児教育の充実に活用するということが記載されていました。凄いなーと思ったのですが、調査研究での先端的な事例の紹介のようです。

https://www.mext.go.jp/content/20200525-mxt_youji-000004222_12.pdf

 この報告書にも少し触れられていますが、幼児教育段階では、安全管理の面からも、デジタルの活用は有効と思います。

 

幼稚園教育要領の解説

 一方で、幼児教育そのものでのデジタルの活用(幼児によるタブレットの利用など)については、直接体験が重要という観点から、様々な意見があると思われます。ただ、様々な実践事例をインターネット上でも見つけることができますので、すでに取組は進んでいるようですね。

 幼稚園の学習指導要領に当たる「幼稚園教育要領」については、デジタル教育に関する記載はありませんが、文科省が作成している解説書の中には、情報機器の活用についての記載がありますので、決して幼児教育でのデジタル活用が禁止されているわけではありません。

 具体的には、解説書の「3 指導計画の作成上の留意事項」の中で、以下のような記載が置かれています。

(6) 情報機器の活用
(6) 幼児期は直接的な体験が重要であることを踏まえ,視聴覚教材やコンピュータなど情報機器を活用する際には,幼稚園生活では得難い体験を補完するなど,幼児の体験との関連を考慮すること。

https://www.mext.go.jp/content/1384661_3_3.pdf

 

 ちなみに、保育園の指導要領に当たる内容が示されている「保育所保育指針」の解説では、「皆でビデオやテレビ、映画などを見ること」について「保育所で保育士等や友達と一緒に聞いたり、見たりする時には、皆で同じ世界を共有する楽しさや心を通わせる一体感などが醸し出される」という解説がありました。(デジタル動画を見たりする機会もあるのでしょうね。)また、事務でのデジタル活用については、「職員間の情報の共有や効率的な評価の仕組みをつくるために、情報通信技術(ICT)などの積極的な活用も有効である。」といった記載があります。

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000202211.pdf