学校教育のデジタル化のイロハ

学校教育(主に小中学校)のデジタル化について、備忘録的に記録しています。

ワ:Wi-Fiルータの貸出がされていない?

コロナ禍でのWi-Fiルータの貸与

 コロナ禍の「GIGAスクール構想」では、オンラインでの授業代替の際にGIGA端末活用が想定されていました。こうした対応で、通信環境のない家庭の子どもがオンライン授業が受けられないという状況を避けるため、文科省から市町村等に対して「家庭学習のための通信機器整備支援事業」で、貸与用のモバイルWi−Fiルータ等の購入費を補助を行っていました。

 ですが、この事業で準備したルータがあまり活用されなかったということで、1年ほど前に、会計検査院からの意見表明がされています。

 

コロナ禍でのWi-Fiルータの貸与事業

 会計検査院のHPにある「意見の表示」の内容を見ると、令和2年度に整備されたルータ計178,325台(補助金交付額計16億1101万余円)のうち、113,315台は令和3年度末までに一度も貸与されておらず、家庭学習に使用されていない状況となっていた、とのことです。

report.jbaudit.go.jp

 

 こうした状況を踏まえて、会計検査院から文部科学大臣に活用策を検討するよう意見が提出されています。

 なお、ルータの貸与率が低調な要因を把握している市町村等に内容を確認した結果として、「ルータの貸出希望者が想定より少ないため」が最も多く、次いで「家庭学習が進んでいないため」となっていることも公表されていました。

 このうち、「ルータの貸出希望者が想定より少ないため」については、「家庭におけるインターネット環境の整備が進んだため」という内訳が多く、「家庭学習が進んでいないため」については、「家庭学習は緊急時のみ実施する方針となっているため」「家庭への端末の持帰りについて検討中のため」という内訳が多くなっていました。

 

 意外に過程での通信環境が整ってきていることや、緊急時でのルールの形成が追いついていなかったことなどが見て取れる結果かなと思いました。

 

(参考)

ura49.hatenablog.jp