学校教育のデジタル化のイロハ

学校教育(主に小中学校)のデジタル化について、備忘録的に記録しています。

リ:理解度はデジタル教育で高まるの?

デジタル教育の効果

 GIGAスクール構想以降、デジタルを活用した教育という意味で、デジタル教育という言葉が使われることがあります。コロナ禍での緊急的な対応でなく、通常授業でのデジタル教育でのGIGA端末の活用は、まだ始まったばかりですので、デジタル教育の効果の検証も今後の課題という部分が大きいと思いますが、以前のブログでも紹介したとおり、「個別最適な学びに関する効果」についての、校長の認識としては、以下のような調査結果となっています。


〇 「学習速度・到達度等に応じた指導の個別化」「関心や課題に応じた学習材や学習課題の提供」「一人一人の学習状況の詳細な把握」について現時点で積極的な変化を感じている校⾧は6~8割程度である一方、「自ら学習計画を立てて行う学習活動」については4割程度。
〇 いずれの項目も、今後に更なる期待を感じている校⾧は、9割以上にのぼる。

 

www.mext.go.jp

 

児童生徒の理解度とデジタル活用との相関は?

 GIGAスクール構想以前から、デジタル(ICT)を活用した教育は行われていましたが、そうした実践におけるデータは、どのようになっているのでしょうか?

 少し前のものになりますが、平成23年度から25年度に行われた調査研究についての結果が、「学びのイノベーション事業実証研究報告書」として、取りまとめられています。

 その中で、「ICTを活用した教育の効果」についても記載がされており、以下のような結果が紹介されています。

 

【学力の状況】

○標準学力検査(CRT)の結果を、平成23年度と24年度の経年で全国の状況と比較すると、低い評定 の出現率が減少している傾向が見られる。また、中学校においては、高い評定の出現率が多い集団 では、さらに高くなる傾向も見られた。

 

【教員の意識】

○ICTを活用した授業は、児童生徒の「意欲を高めること」「理解を高めること」「思考を深めたり広げ たりすること」「表現や技能を高めること」に効果的であると、全期間を通じて約8割以上の教員が 評価している。

 

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 今後、GIGA端末を活用した教育実践の効果については、更に調査等がなされると思いますので、引き続き状況を見ていきたいと思います。