学校教育のデジタル化のイロハ

学校教育(主に小中学校)のデジタル化について、備忘録的に記録しています。

イ:いつから学校のデジタル化が始まったの?

GIGAスクール構想(2020年前後)

 2019年12月に、児童生徒1人1台端末・高速大容量の通信ネットワークの整備を2023年度までに一体的に整備する「GIGAスクール構想」が、文部科学省から提唱されました。この計画は、2020年のコロナ禍での臨時休校への対応のために加速化し、目標は2020年度と3年前倒しされ、各自治体において学校のICT環境整備が急速に進められました。2021年3月の時点では、ほぼすべての学校でGIGA端末の整備がされました。

 以上が、最近の状況ですが、そもそもいつ頃から学校にコンピューターが導入されたのかなどを少し調べてみました。

 

学校教育での情報教育の導入

 学校教育で情報教育を扱うようになったのは、昭和40年代後半に高等学校で情報処理教育が行われるようになったことが始まりとされています。

 その後、平成元年(1989年)告示の学習指導要領では、中学校技術・家庭科において、選択領域として「情報基礎」が新設され、中学校・高等学校段階で、社会科、公民科、数学、理科など関連する各教科で情報に関する内容が取り入れられるとともに、各教科の指導において教育機器を活用することとされました。

 また、平成2年(1990年)7月には、情報教育の在り方、学習指導要領で示された情報教育の内容、情報手段の活用、コンピュータ等の条件整備の在り方、特殊教育における情報教育、教員研修の在り方などについて解説した「情報教育に関する手引」が、文部省から刊行されました。 (2000年頃までにはほぼ全ての学校にコンピュータ教室が設置されたと言われています。)

 さらに、平成10年(1998年)に告示された学習指導要領では、中学校技術・家庭科で「情報とコンピュータ」が必修化され、高等学校では普通教科「情報」を新設し、必修とするなどの改訂がされました。中学校の「技術・家庭」や高校の「情報」で、情報教育を扱うという形が、ここで確立したことになります。
 平成14年6月には、情報活用能力の育成の基本的考え方、各学校段階・各教科等との関わりなどの記述を充実するなど、情報活用能力の育成という視点に重点を置いて新「情報教育に関する手引」(情報教育の実践と学校の情報化)が刊行されました。

 「IT革命」が流行語大賞となったのが2000年でしたが、社会の変化とともに、教育内容も変化してきたことがわかります。

 

 なお、学校(校務)でのコンピューターの導入の時期は、よくわからなかったのですが、遅くとも80年代には、学校でのコンピューターの導入は開始されていたようです。(自分の経験からも80年代には、確実に中学校ではパソコンが使われていました。)